舟橋一浩

ウディ・アレン『人生万歳』

イラスト 成沢なぎ画伯

イラスト 成沢なぎ画伯

ここでは、最近観た映画や読んだ本について呟きます。お暇でしたらお付き合いください。

今回はウディ・アレンの最新作『人生万歳』を紹介します。舞台はウディ作品では久々のニューヨーク。落ちぶれた天才老人学者ボリスと田舎から出てきた二十歳過ぎの家出娘メロディの恋愛コメディ。記念すべぎ40本目の本作は、元々70年代半ばにウディ本人が書いた脚本なので、『アニーホール』や『マンハッタン』などを好む往年のファンにとっては、近年の作品よりも親しみが持てるかもしれません。特に劇中、観客に対して主人公が話し掛けてくる所など、『アニーホール』を想起させます。主人公ボリスは偏屈で人間嫌いの老人。対してメロディは無垢で明るい南部娘。ボリスの「知性」に触れ成長していくメロディ。そんなメロディに魅かれていくボリス。相変わらずのシニカルなセリフの嵐とその背後にある諦念感。ウディ作品のテーマとして重要な「偶然」に纏わる考察。

これまでずっとウディ映画を観てきた人も、初めてウディ作品を観る人も楽しめる映画になってます。1月28日まで恵比寿ガーデンシネマで公開してましたが、これまでウディ・アレンの作品をいつも公開してきたガーデンシネマが本作を最後に閉館してしまいました。良質な映画をたくさん上映してくれて、思い出も一杯あるのでとても残念です。恵比寿ガーデンシネマの皆さん、今まで本当にありがとう!

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